美智代の世界遺産紀行 ~400ヵ所達成!~ 京都在住の世界遺産研究家です。訪れた世界遺産は50ヵ国以上、400ヵ所。家族で旅した体験談を詳細にリポートします。

パラマタの旧総督官邸、国内最古の公共建築物

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f0019856_12133910.jpg10:50 パラマタ駅に到着。小ぢんまりした町で、きれいに区画整備されているので、看板を見れば、総督官邸までの道は簡単です。ただ、距離が遠かった~! 20分ほど歩くと、広々とした芝生のパラマタ公園に入ります。この丘の上にあるのです。公園に入った途端、耳をふさぎたくなるような蝉の声。改めて真夏のオーストラリアを実感します。
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裏に回りこむと事務所があります。ボランティアガイドさんの案内で、正面の鍵をあけて一部屋ずつ見学します。お客さんは私たちだけで、すぐにツアー開始。

f0019856_1326634.jpg1790年から約70年に渡ってニューサウスウェールズ州の10人の総督が住んだ邸宅です。初代総督は、岩だらけだったシドニーの半島を見て、川をさかのぼり、土地が豊かなこの地を開拓したのです。
f0019856_13471393.jpg最初の建物は白アリの影響で10年ほどで壊れ、1799年、2代目のジョン・ハンター総督が建て替えました。その後、マックォーリー総督と夫人が建て増し、現在はそれが残っています。いわば、国内最古の公共建築物です。玄関は、総督に会いに来た人が待てるよう、広く作られています。床はタイルに見えますが、みしっと音がする木造。当時、タイルが手に入らなかったので、白黒に色を塗りました。
f0019856_13582312.jpg右の部屋は、男性のサロン。暖炉の両脇の紐をひくと、召使がすぐにやって来られる仕組みになっていたそうです。この建物はもちろんですが、部屋の調度品はすべて囚人が作ったもの。折り畳み式のテーブルはオリジナルで、今でも十分に使えるほど精巧にできていました。大勢の囚人の中には、いろいろな技能をもった人たちがいた証しです。
f0019856_1452812.jpg左側の部屋は、娯楽室とでもいいましょうか。ピアノが置いてあります。ここでは窓に注目! ガラスの向こうに木のブラインドがありますが、実は窓枠手前の両側に取っ手があって、それを引くともう一枚木の扉が出てきて、完全に遮断することができるのです。ガイドさんが実演してくれました。セキュリティー面も考え、作られているということでしょう。

f0019856_1416206.jpgここから先が増築された部分です。台所で注目は、テーブルの奥にある三角屋根の家具。食器棚みたいですが、冷蔵庫です。当時は、電気がないので、ここに肉や野菜を入れていました。でも、夏はかなり暑い!

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マックォーリー総督の執務室です。床に空いた穴は貯蔵庫でした。廊下には壁がめくれる部分があり、外壁の中の積まれたレンガを見ました。大きさや形が不揃い。土木作業に慣れない囚人たちもいたでしょうから、当然ですね。
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2階は家族のプライベートな空間です。居間には大きな地球儀が2個置いてありました。24,500kmという距離を航海してきた彼らにとって、なくてはならないものですね。これでイギリスに思いを馳せたのでしょうか。

f0019856_14285359.jpg総督、夫人、子どもの寝室とありますが、ここはマックォーリー夫人のものです。シドニーの写真ポイントで有名ですが、自然を愛する夫人はここをとても気に入ったそうです。突然、ガイドさんがベッドの下から、小さな白い壺のようなものを出しました。これ、トイレです。ちなみに、暖炉の前のマットはカンガルーの皮で作られていました。

f0019856_1605089.jpgとっても素敵な玄関ポーチ。パラマタの旧総督官邸は、オーストラリア入植の歴史とイギリス様式の建築様式がもたらされた好例として世界遺産に登録されました。約1時間、私たちのペースに合わせてゆっくり説明してくださり、とてもよく分かりました。 
Thank you so much!!

058.gif<美智代のワンポイント>
大人9ドル、ファミリーチケット24ドル。※ナショナルトラストの会員は入館無料。 
素敵なカフェがあり、食事もできます。 ⇒現地HP 

 ◆オーストラリア囚人遺跡群(2010年登録)◆
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by micho7E | 2014-04-07 19:00 | オーストラリア(シドニー)