昼間は人が押し寄せる大聖堂も、早朝は祈りを捧げる数人のみ。空気は冷たく、足音ですらよく響きます。
堂内のライトが反射していたステンドグラスも、太陽が昇るに従って、生き生きした七色の輝きに変わっていきました。
一際、輝くのは、祭壇に置かれた黄金の棺です(→)。
テレビで見たのですが、中にはキリスト誕生の時に拝みに来た、東方三博士(はくし)の頭蓋骨と王冠が入っています。
8時の鐘がビブラートをきかせて鳴り始め、息子が奇声を上げました。私の中の神聖な時間は終わりを告げました。
◆ケルン大聖堂(1996年登録)◆