2006年 07月 16日
ファールンの大銅山、巨大な穴の物語 (スウェーデン)
スウェーデン中部の都市ファールンでは、9世紀頃から銅の採掘が始まり、17世紀半ばには、世界の銅産出量の3分の2を占めるほどでした。
1992年まで現役として国を支え、工場、採掘坑、管理棟、住居が保存され、ガイドツアーでは、深さ90mの採掘坑を見学します。
レインコートを着て、ヘルメットをかぶり、エレベーターで地下世界へ。
探検隊に参加してるようでワクワクしました。
細いトンネルを進むと、ホールのような部屋に出ました。壁や天井には、削り取られた痕跡が残り、坑夫たちの苦労を思いました。
近くには、坑夫が暮らした家並みが残っています。銅を製錬する時に出る廃物から赤い粉をつくり、木造の家々の外壁に塗ったそうです。外観だけでなく、家を劣化から守る役目もありました。赤銅の家は、国中に広がり、スウェーデンの伝統的家屋になりました。今で言うリサイクルですね!
日本では、来年、島根県の石見銀山遺跡の世界遺産登録が有力です。
それを機に、産業遺産の物語が注目されるといいですね。
◆ファールンの大銅山地域(2001年登録)◆
<世界遺産短歌>
ファールンにパックリ開いた巨大穴 どう(銅)だとばかり 口もあんぐり