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美智代の世界遺産紀行 ~目指せ500ヵ所!~ 京都在住の世界遺産研究家です。訪れた世界遺産は54ヵ国、412ヵ所。家族で旅した体験談を詳細にリポートします。

シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!

シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_1252745.gif湖が見下ろせる森の高台に、小さな穴が削られていました。
実は、これが世界遺産!
19世紀、天文学者シュトゥルーヴェが地球の形状を調べるために設置した観測点の一つで、なんと10ヵ国にまたがる34ヵ所が世界遺産。そのうちフィンランドには6ヵ所あり、今回の旅のルートに近い2ヵ所を訪れることにしました。参考にしたサイトはこちら

シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_1222443.gifでも、事前に分かったのは地名と経緯度のみ。そこで、カーナビに北緯と東経を登録し、それだけを頼りに行きました。すると・・・
シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_12222340.gifコウヴォラから南西へ約60km、ラピンヤルヴィ(Lapinjarvi)という町で世界遺産マークの看板(↑)を発見。私たちの観測は正しかったと安堵しました。あとは標示に従っていくだけなのですが、湖と森の寂しい場所。小さな駐車場に車を止め、ここが(→)観測点に行く道であることを確認して、ひたすら山を登ります。誰もいない静かな林に疑心暗鬼になりながらも歩きました。→地図

シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_12331433.gif15分後、少し森が開け、(←)湖が見えてきました。さらに5分。この先でついに観測点を発見したのです!(↓)
シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_1235395.jpg最初に見つけたのは3歳の息子。「世界遺産マークがあるよ」と弾んだ声で言いました。親の趣味が分かってきたのねぇ。
もしかして、説明板が世界遺産?

シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_1240827.gif・・・と辺りを見ると、足元の岩盤に人工的に小さい穴があけられていました。これだ!と、即座に思いました。低い木はあるものの、目の前は見通しのよい湖です。それにしても、苦労したわりには「これだけ?」と、本当に小さな世界遺産なのでした。(次の観測点に続く
◆シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群(2005年登録)◆

058.gif<美智代のワンポイント> シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群とは? 
シュトゥルーヴェ① 世界遺産は小さな穴だった!_f0019856_15103644.jpgドイツ出身でロシアの天文学者、フリードリヒ・ゲオルク・ヴィルヘルム・フォン・シュトゥルーヴェが、1816~55年に設置した265ヵ所の観測点群(「測地弧」ともいう)。ノルウェーの北端から黒海まで約2800kmに及びます。このうち、34ヵ所が登録され、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナの10ヵ国にまたがる珍しい世界遺産です。ただし、測量された当時は、スウェーデン=ノルウェー王国とロシア帝国の2ヵ国の領土でした。この観測地点群により、地球の正確な形や大きさを測ることに成功したのです!


by micho7e | 2010-08-13 15:26 | フィンランド