2009年 02月 20日
ケルクアン② 古代カルタゴ人はお風呂好き? (チュニジア)
ここから海に向かって大通りが伸びていました。
道幅は4m。両側に並ぶ家の区画に比べ、通りはかなり立派です。大勢の人が行きかい、豊かな生活を送っていたということでしょうか。もう一つ、気づいたことがありました。家の区画に沿って小さな溝が通りに続いていたことです。その溝は家の中のある場所から伸びていました。それは、お風呂!
スベスベした赤土で作られいていて、すぐ分かります。大人一人が入るのにちょうどいい大きさで、中に段があり、座って入るタイプです。浴槽の隅には小さな穴があいていて、そこから排水される仕組みでした。それも1、2ヵ所ではありません。ここは紫貝から作る染料・古代紫の生産が盛んでした。染色の過程で海が汚れたため、各家庭にはお風呂が必須だったそうです。
ここは、西門を出て、二重城壁があった場所です。
他にも、神殿や公共浴場、職人の工房、「パン」を焼く窯(←残念ながら見つけられず)などがあり、ここを出る頃には、古代カルタゴの暮らしを想像できるくらいになっていました。建物の大きさやモザイクの派手さは、ローマ帝国時代のものには及びませんが、本物を見た感動は決して負けていませんでした。
◆ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡(1985,86年登録)◆
<世界遺産短歌>
海風を受けて散策 ケルクアン お風呂が伝える カルタゴ史